教員・教師が休職するには?手続きと注意点を徹底解説

教員の休職手続き編



「毎朝学校に行くのがつらい」
「病院に行ったら休職をすすめられた」
「休職するにはどうしたら?」

生徒はかわいいし、教師の仕事は大好きだけど、
長時間労働や人間関係、生徒指導で疲れてしまった。


このまま続けていけるのかなって不安になる時ありますよね。


教員をとりまく労働環境の負担は、年々悪化しています。
教員に求められる業務範囲は非常に広く、授業・学級運営以外にも課題の作成や採点、放課後・休日の部活動の指導、保護者対応など。

過重労働や長時間労働につながる多くの要因があります。

実際、うつ病などの精神疾患によって休職する教員は、公立学校だけでも毎年5,000人に上り、2019年度は過去最多となっています。

真面目で責任感が強いために、誰にも相談せず自分を追い詰めてしまう教員も多いと言われています。

さらに、体調が悪くても

・子どもに迷惑がかかる
・授業に穴はあけられない
・年度の途中で休むわけにいかない
・もっと頑張れるはず

などの理由で、すぐに休むことができないのも教員の仕事の大きな特徴です。

「これ以上は教員を続けられないかもしれない」と思い、「退職」や「転職」の2文字が頭をよぎることも。

ただ、もしそのつらさがうつ病やうつ状態からくるものだとしたら?
そのような時に「退職」や「転職」といった大きな決断をするのはベストの選択にならないこともあります。

一般企業と同じように、体調が悪い時にはまずは休暇・休職制度を活用し、休養に専念してほしい。
EDULIFEではそう考えています。

教員

でも、実際に休職するとなると、実際どうしたらいいか、休みの間の待遇など色々気になります、、、

そこで、今回は「教員が安心して休職するための手続きとポイント」について解説していきます。

うつ病などで長期の休養を必要とする教員のみなさんが、少しでも安心して休職することができるよう、参考になれば嬉しいです。

目次

教員・教師のおかれた状況

本題に入る前に、教員のおかれた状況についてみていきます。

増え続ける負担

教員の負担は年々増加していると言われています。

例えば、

学習指導要領の改訂による業務の複雑化
モンスターペアレント対応
長時間労働
パワハラ
児童生徒への指導(いじめ・不登校・学級崩壊)
限られた空間での人間関係ストレス

など、数年前とは比べものにならないほど多忙になり、職員室で教員同士が雑談する余裕さえなくなっている現場も。

先生の本音について記憶に新しい「#教師のバトン」についての記事はこちらから↓
「#教師のバトン」に見られる先生の本音 | EDULIFE(エデュライフ)自分らしく健やかであり続けたい先生のためのオンライン復職プログラム株式会社ことば研究室 (kotobalab.co.jp)


ある公立学校共済組合病院での調査によると、受診した教員の職場内ストレスとしては,生徒指導が36%,同僚・管理職との人間関係20%,保護者対応10%となりました。

つまり、生徒指導の一環として保護者対応が絡んできて,同僚・管理職との人間関係も大変になるという連鎖が起こり,ストレスが増え,疲弊しやすくなるようです。(井上麻紀,日本教育行政学会年報 No. 43(2017)


これだけの負担を背負い、目の前の生徒と向き合っている教員の皆さんには本当に頭が下がります。

どのくらいの教員が休職しているのか

それでは、現在どのくらいの教員が精神疾患によって休職しているのでしょうか。

文部科学省の調査によると、2019年度の精神疾患による病気休職者は5,478人。
前年度(2018年度)から266人増加し、過去最多の人数となっています。

出典:https://resemom.jp/article/2021/04/12/61370.html

学校種別にみると、

  • 小学校2,647人
  • 中学校1,387人
  • 義務教育学校21人
  • 高校768人
  • 中等教育学校6人
  • 特別支援学校649人


年代別では、

  • 20歳代832人
  • 30歳代1,477人
  • 40歳代1,380人
  • 50歳代1,705人
  • 60歳代84人

となり、一番多いのが50代、次に30代となっています。

(出典:文部科学省・令和元年度公立学校教職員の人事行政状況調査について)

なお、この数字は公立学校の休職者数で、これに私立学校の教員や、休職に至っていないものの心身に不調をきたしている教員の人数を加えると、心身に何かしらの負担を抱える教員の数は、非常に多いといえるかもしれません。

教員の休職について

教員

教員の大変さはわかりました。
大変さを支える制度はありますか?

心身の負担のため仕事を続けることがむずしくなった時、休んで回復するために、教員にはどんな制度があるのでしょうか。

教員が利用することのできる制度についてみていきます。

充実した制度がある

まず最初にお伝えしたいのは、教員には公務員と同じく、手厚い福利厚生としての休職制度があるということです。

どうか安心して休暇・休職制度を活用し、まずは休養に専念し、
復職や転職については症状が回復した後、じっくりと考えてほしいと思います。


休職するには、大きく分けて次の3ステップとなります。

  1. まずは病気休暇を取得する
  2. その次に病気休職を申請する
  3. 必要に応じて休職期間を延長する

では、一つずつご紹介していきます。

①まずは病気休暇を取得する

心身の不調で休みが必要になった時、まず取得するのは「病気休暇」です。

病気休暇は最大90日間取得でき、その間の給与は全額保証されます。
(※自治体により異なります。県の教育委員会にご確認ください)

病気休暇とは、労働者側が「休みます」と言って休むもの。
病気休職とは、雇用者側、ここでは教育委員会が「休んでください」と辞令を出して休ませるもの。

実際の手続き

実は病気休暇に入るとき、最初から精神疾患とわからない場合も多いです。

というのも、始まりは「よくわからないけど思うように体が動かなくなる」というケースや、胃腸など体の不調がメインで、「気分の落ち込み」など精神的な症状が自覚されにくいケースがあるためです。

まずは「体調が悪いので学校に行けない。お休みさせてください」という連絡を学校に入れることになります。

数日休んでも出勤できない場合、1週間を超えると医師の診断書の提出が求められます。

これまでお話を伺った方の中にも、最初は胃腸症状など体の不調による休暇を申請し、その後内科から精神科を紹介され、精神疾患での休暇となるケースがありました。

この時、臨床心理士やカウンセラーでは診断書が出せないので、必ず精神科医の診察を受けてください。

うつ病などの精神疾患で病気休暇の診断書が出る場合、数週間単位ではなく、数か月単位となることがほとんどです。

つまり、このタイミングで学校側にも「休みがある程度まとまった期間となること」が伝わります。

学校側もお休み中の体制を整えることができますし、
休養が必要な教員がやっと落ち着いて休めるようになるのは、このタイミングではないかと思います。

精神科の初診は
✓すぐに予約がとれない
✓待ち時間が長い
✓初診時は説明に時間がかかる
など体力気力を消耗することも多いです。

気持ちの上でハードルが高いかもしれませんが、心配な時は早めに受診することをお勧めします。

教員が実際に病気休暇に入るときのリアルな心境については、こちらのインタビュー記事がおすすめ
インタビュー 先生の休職 vol.1~教員1年目のリアル(前編) | EDULIFE(エデュライフ)自分らしく健やかであり続けたい先生のためのオンライン復職プログラム株式会社ことば研究室 (kotobalab.co.jp)

②次に病気休職を申請する

病気休暇の90日休んでも回復にいたらない場合、病気休職を申請することになります。

病気休職は、最大3年間取得できますが、休暇との違いは、支給される給与が満額ではなく8割支給になること、給与の支給が1年間のみであることが挙げられます。

ただ、給与の支給が停止された後も、公立の教員で共済組合に所属していると傷病手当金を申請することができます。

これは、申請すると給与の3分の2の金額が支給されるので、病気休職の申請と一緒に手続きをしておきましょう。
(※自治体により異なります。詳しくは県の教育委員会にご確認ください)

先ほどもお伝えしたように、病気休職は教育委員会主導で休職の辞令が出てお休みするというものです。

そのため、病気休暇と違い、
①提出する必要書類が増える
②休職期間を県教委が決めるため、その都度延長手続きをしなければならない
ことに注意が必要です。

ただ、3年という長い期間お休みできるので、焦らず治療に専念しましょう。

実際の手続き

90日の病気休暇が終わる際、「元気になったから復職しよう」とならなければ、病気休職に入ることになります。

校長先生などから「そろそろ休暇期間が終わりますが、どうしますか?」と確認されるので、「お休みを延長したいです」と学校側へ伝えます

その後、書類のやり取りをします。


お休みの延長ですので、生活自体は大きく変わりませんが、
✓提出する書類が増え、手続きの負担が増えること
✓収入が減額となること


この2点について、注意が必要です。

③必要に応じて休職期間を延長する

休職期間は通常、主治医の診断書に従う形で決まることが多いのですが、
教員の場合、講師手配の都合などで診断書とは異なる期間が設定されることもあるようです。

例:診断書には「3か月の休職が必要」と記載があるが、「2か月の休職」という辞令が出るなど。

指定された休職期間が過ぎても、十分回復していない場合、再度診断書を提出し、休職を延長することとなります。

復職のタイミングについては、病状を見ながら主治医の先生と相談していくことになります。
一気に「復職!」というわけではなく、段階を踏みながら一歩一歩進めていきます。


具体的には、
・気力が戻ってきたら、生活リズムを整え、近くの散歩から始める。
・仕事のことを落ち着いて話すことができるようになってから、復職後の働き方を検討するなど。

「いつまで休めばいいんだろう?」
「回復までどのくらいかかるんだろう」


お休み中は、先のことが気になりますよね。

主治医の先生と、ご自身の現在の状態と今後の見通しについてお話ができると安心につながります。
ぜひ休職を延長するタイミングで話し合われてみてください。

休職中にすべきこと

1に休養、2に休養、3,4がなくて5に休養

「休職中何をしたらいいですか?」

休職治療をされる方は皆さん、早く回復しようと一生懸命です。
もともと真面目で努力家の方も多いため、休養の最大のハードルは「休むことへの罪悪感」と言えます。

実際に休職の支援をしていると、「ゆっくり休めるようになる」「仕事のことを考えずにいられるようになる」までに1か月2か月かかる方が少なくありません。


「どうしてこうなったんだろう、この先どうしたらいいんだろう」
こういったことは回復してから考えること。


せっかく休んでいるのに、休めていない。
そんな状態にならないように、今はいったん棚上げして、ホッとできることに意識を向けることが大切です。

必要に応じてお薬のチカラも借りながら、「休むこと」に集中しましょう。
早く休養がとれればとれるほど、回復までの期間も短くなります。

休職中は学校との連携を大切に

休職中は回復のため、なるべく仕事から離れることが大切です。

ただ、学校側も休職者が今どんな状態で、いつまで休みが必要なのか?
休み中の学級運営のためにも先の見通しを立てたいというのが本音。

なので、病院を受診したら、”主治医の意見としての現状”を伝えられるとお互いの負担が軽くなります。

ご自身で連絡がしにくい場合は、ご家族に診察に付き添っていただき、学校への連絡を代理でしてもらうことも一案。

また、休職中は社保の給与清算などの事務連絡も必要となります。
電話やメール、郵送など、ご自身にとって負担の少ない連絡手段を学校側と決めておけるといいですね。

休職は自分を知る機会となる

休職中は自分の心と体を休めるだけでなく、自分を見つめ直す機会にもなる。


そのため、復職するタイミングなどを考え始めた時には、このまま教員を続けるのか、教員の仕事をもう一度見直して他の仕事を始めるのかをじっくり考えてみるのも大切です。

教員を続ける場合も、どんな風に働けると自分らしく伸び伸びと仕事ができるのかを考える良い機会です。

休職を経たことで、人間としての深みや優しさが増し、本当の意味で自分らしい働き方を手に入れる方も少なくありません。

EDULIFEのリワークプログラムで自分と向き合い、自分を知ることで、ストレスとの付き合い方や働き方を見直すことができます。

ご興味のある方は、無料相談(オンライン)を承っていますので、ぜひご検討ください。

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