教員座談会~新人時代のお悩み編~

先生の新人時代のお悩み

先生方とざっくばらんにお話しする座談会の報告。今回は「お悩み編」です。


いわゆる、中堅と呼ばれる世代の斎藤先生(仮名)上野先生(仮名)に、代表の松崎がお話を伺いました。
お二人とも公立小学校で働いています。

目次

今までの教員人生の中で一番悩んだことはなんですか?

斎藤先生:若いころは、色々と悩んでいましたね。若いころって、怒られることやダメ出しされることも多いじゃないですか。それで、自信がなくなって、自分の強みに目がいかなくなっていました。

先輩に相談したりもしていたけど、クラスの内情は他の誰も実際にはわからないので、先輩のアドバイス通りにしてみても学級経営がうまくいかななったりして。

その経験から、誰かの真似をしてみるだけじゃダメなんだなと思いました。だから、自分で試行錯誤して、自分のスタイルができたらとても楽になりました。

自信が持てるようになったきっかけはありましたか?

斎藤先生:きっかけとなったのは、実は異動でした。

今まで初任で3年間いた学校から、地域も変わり、子供のタイプも変わったというのもありますし
私が前任校で苦労していたのを考慮してもらったのか、落ち着いたクラスの担任になって。

そこで、今までの3年間の経験もいかしながら、自分なりに工夫してうまくいったことで、自信を取り戻した感じがありました。

松崎:先生にとって、数年ごとの異動は負担になることの方が多いのかなと思っていたんですが、心機一転で良い機会になることも多いんですね。

先生の悩みを大きくさせたのは?

松崎:斎藤先生が悩んでいた時期、客観的に振り返って何が一番の原因だったと思いますか?

斎藤先生:理不尽な保護者の対応が一番悩みました。
うまくコミュニケーションが取れず、そのことで自分は先生に向いてないのかな、と感じました。

保護者の対応は、担任一人での対応になりがちですが、このような方の対応は他の先生との二人体制にするなど、学校内でも連携が取れると心強いです。

そして、その保護者の方も、何かしら困っていることがあるから、他者に理不尽な要求をするんだと思うんですね。
その保護者の方の心理的サポートなども、自治体や専門家と連携してできたらとても理想的ですね。

先生の心理的サポートについて

松崎:斎藤先生が悩んでいる時、専門家に相談しましたか?

斎藤先生:私は、自治体がしている無料相談に実は行ったことがあります。

当時、私一人では手に負えなくなっていたので、学校全体で動いてもらえたらと思って相談に行ったんです。
カウンセラーさんに「つらかったですね」と理不尽な現状は理解してはもらえたのですが、その後、期待していたような現実的な動きはなく残念に感じました。

恐らく、学校にも説明してくださったりしたようなのですが。
「現状はなかなか変えられないのか」と残念な気持ちになりました。

松崎:相談窓口のカウンセラーさんと、学校との関係性なども、一度確認したいところですね。
学校の中は閉鎖的なので、風通しよく「みんなで解決していく」という関係性になれたらいいなと、聞いていて感じました。

養護教諭特有のお悩み

松崎:上野先生が一番悩んでいた時期はいつですか?

上野先生:一番つらかった時期は、やっぱり一年目~二年目くらいですね。職種的に(養護教諭)基本的に学校に一人だから、わからない事をその場で聞く人がいないんです。

「あの時のあの判断は、あれで本当によかったのかな。」など、家に帰っても頭から離れないくらいでした。

幸い、隣の学校の養護教諭の方がベテランで、話を聞いてくれる先生だったんです。
近隣の養護教諭がそろう会で、先生の方から「大変でしょう」と声をかけてくれて。
電話をかけた際に、まとめて実務的な事を一気に質問したりできたのが救われました。

松崎:優しい先生に出会えて良かったですね。

同僚との関係性に悩んだことも

松崎:ほかに一、二年目で悩んだことはありますか?

上野先生:威圧的な同僚がいて、今思えば、自分が苦手なタイプだっただけと思えるんですが、その当時は、「私が至らないからだ」って自分を責めていて辛かったです。

仕事が順調でないという想いもあったため、その先生に監視されているように感じ、委縮してしまい余計にうまくいかなくなる、という悪循環になっていた気がします。

初任のころは、満足に仕事もできないし、そういう合わない先生もいるし、自分の仕事は一人ぼっちだったし、結構辛かったなぁと。当時は必死すぎて、「辛い」と感じる余裕もなかったような感じでしたが。

専門家への相談のハードル

松崎:上野先生は、専門家に悩みを相談したことはありますか?

上野先生:私はないです。相談する時間を取るなら、自分の仕事を片付けたいという風に感じていました。

慎重なタイプというのもあり、どんな感じかわからないと相談しようという発想すらないです。
隣のあの先生も相談して良かったらしい、くらい身近にならないと相談できないタイプです。

どんなサポートがあると良かったですか?

松崎:どんな場所なら相談したいですか?

上野先生:自分以外の客観的な意見を聞ける場所ですね。

学校という環境にどっぷり入っていると「私が悪いのかな思考」にどんどんなっていっちゃう。
忙しいし、頭も身体も基本疲れているから。


当時は朝7時30分に学校に行って、22時まで学校にいたりするくらい忙しかったから。

思考も感情も停止しちゃってたというか。

だから、「こういう考え方もあるんだ」と気付ける場所だと、そこで自分の頭も動き出して、考えも整理されて、スッキリすると感じます。

松崎:心身の疲れを取って、思考や感情が停止しないように、先生が専門家を活用してもらえるといいなと感じました。
そのためには、カウンセリングやコーチングの存在が先生方にとって身近であることが大切。
より一層、EDULIFEの活動を広げていきたいと思いました。

今日は、ざっくばらんにお話しいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

EDULIFE代表 松崎祐子
コーチ/大学講師(言語学)

自分らしく健やかであり続ける先生のサポーター

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