教員の休職インタビュー vol.3 ~コロナ禍のリアル~

教員の休職のリアル

「教え子たちは可愛かったけど、教師はちょっと続けられないかなと感じています」

教員になって7年。色々な先生とも協力し合い、大変ながらもやりがいのある仕事として教師を続けてきた斎藤めぐみさん(仮名)が直面した休職についてお話を伺いました。

目次

教師7年目 明らかな体調不良

ー心や身体の変化を感じたのはいつですか?

体調で大きく変化があったのはコロナ期間中に過敏性腸症候群になったことです。

過敏性腸症候群は大腸に腫瘍や炎症など症状の原因となるような病気がないにも関わらず、おなかの調子が悪く痛みが続いたり、便秘や下痢などの症状が数ヵ月以上にわたって続く消化管の機能障害の疾患。 排便することで楽になる腹痛と、下痢や便秘などの便通異常が主な症状である。 ストレスが症状を悪化させる要因の1つと考えられている。

学校のシステムがこれまでやってきた事と違うやり方に変わり、 もともと私自身が環境の変化に弱いところもあり、一気に体調が悪くなりました。

ー診断を受けたのはいつですか?

コロナが発生した昨年の6月頃です。食べ物を受け付けなくなったので、精神的なものだと思い、心療内科を受診しました。

ー心療内科での診断は先生から何と言われましたか?

適応障害と言われました。

ー 食べ物を受け付けないことや腹痛以外に、どんな症状がありましたか?

朝になると吐き気があり、嘔吐することがありました。 子どもたちの前に立つとまだましでしたが、 授業が始まる前にトイレに行って、吐き気がきたりしていました。

診断された適応障害。一番の原因は?

ー適応障害の原因と考えられるのはなんですか?

実は、人間関係でした。

校長先生だけのせいではないと思いますが、納得いかないことを正直に言えずに貯めこんでしまったことが一つ考えられるかなと思います。

当時の校長先生が、理不尽なことで怒ったり、「小学生でもわかる」など人を馬鹿にしたような発言をすることが多く、教育者としても尊敬できないと感じていました。

それまでの校長先生は、教員に寄り添い、励まして受け止めてくれる先生だったのですが、この時の校長先生はコミュニケーションが得意ではない先生で、ギャップを感じてしまったのもあります。

そこにコロナが重なったという感じでしょうか。

私以外に同僚の男の先生も同じ時期、校長先生からの言葉が原因で、給食が全然食べられない状況になりました。その先生も心療内科に行ったそうです。

診断後の仕事の変化は?

ー適応障害と診断された後、仕事はどう変化しましたか?

上司たちも、体調が悪くなることを心配してくれてはいましたが、 仕事内容は変えてもらえませんでした。

学校のスクールカウンセラーに1回相談したのみです。 スクールカウンセラーの方は他の先生のこともよく知っているので、他の先生に関する話は少ししづらいと感じました。

ー管理職の先生と、仕事内容を調整する話し合いをしたことはありますか?

全くありませんでした。

校長先生は元々コミュニケーションが苦手な方なので、周囲の先生からも孤立していて、副校長先生との仲も悪く、私が、校長先生と副校長先生の間に入ってしまい、とても嫌な思いをする事がありました。

そのこともあり、どちらにも本音を話せる状況ではありませんでした。管理職と話していると腹痛が起こってしまったりして、「話し合い」は全くと言っていいほどできませんでした。

ー仕事内容に関して相談できないのはつらかったですね。

はい。
体調崩しながらも、薬を飲みながら、なんとか翌年の3月までなんとか乗り切ったという感じでした。

休職を決断したのは?

ー休職に入るまでずっと体調が悪かったんですか?

はい。評判の良い消化器系の病院に移り、そこで処方された精神安定剤と整腸剤を飲むことで、去年の夏よりは、すこしずつ食欲も戻ってきていました。 しかし、腹痛が起きることは変わらず、なんとか乗り切っていた状態でした。

そんな中、同じ学年を担当した年齢が近い男の先生の様子が変わりました。
当初はすごく優しいし、相談したらすぐに対応してくれる先生だったのですが、 最後の頃は、私が何かを言っても機嫌が悪いような対応をされ、 ほとんど無視される状況になってしまいました。

ーその先生の対応がおかしいと感じたのはいつ頃ですか?

コロナの休校期間と夏休みが明けて、 10月くらいまでは今まで通りだったが、それ以降おかしいと感じるようになりました。
校長先生とその先生が、あからさまに嫌い合っていて、その争いみたいなものに私も巻き込まれてしまった気がします。

そういう風に、職場の雰囲気が悪い中、なんとか一日一日を乗り越えている状況でした。

実は、3月で休職しようと決意していました。
担任していた6年生を卒業させないといけないという気持ちだけで、3月まで頑張りました。

休職をして感じたこと

ー休職中の現在、心身ともに休めていると感じますか?

たまにパニックになることもまだあるんですが、住む環境を変えたりしたのもあり、休めていると感じます。

ーそれは何よりですね。休職をしてみて、いま何を感じていますか?

職場を離れてみて、学校はすごく小さな世界だなと感じました。

教育現場では、組織組織と言われているものの、 先生たちは、自分のことでいっぱいいっぱいなので、 結局、自分がやっている仕事は、一人一役の自己責任になってしまっています。
自己責任の部分が大き過ぎるなと感じます。

ーどんな職場なら戻れると思いますか?

やはり教員同士、仲が良い職場ですね。
「話し合って決める」ということができる職場が良いです。

「いろいろ経験しておいた方が成長できる。」が上司の口癖で、若手に一方的になんでもやらせようとする風潮が強く、負担が大きかったです。

ー先輩として若手に接するならどうしますか?

若手に、発言権を持たせてあげる、平等に発言できる機会を設けたりという工夫をしたいですね。
また、一人だけで担当というのではなく、 人員が必要な仕事とそうでない仕事をきちんと振り分け、仕事の負担に応じて担当を増やしていけば、一人の責任にならず連携してできるようになります。

そうすることで、個人の心理的負担が軽減できるのではないかと感じます。

働きやすい環境とは

ー教師という職業について、いま改めて感じていることは?

そうですね。 教え子たちは可愛くて、担任をやっていて楽しかったので、もう一回教師をやりたいなとは思います。

でも、教師同士の関係や仕事を考えると、ちょっと続けられないと思ってしまいます。
また、やっかないめんどうな環境になるのかと考えると…。

ー教師同士のコミュニケーションに課題を感じるんですね。

はい。忙しすぎて、みんないっぱいいっぱいなんです。
ストレスがたまって人のせいにしたり、人をいじめてみたりという感情がでてきてしまうのかなと思います。

「教師の多忙さ」は、本当に課題だと感じています。

そして、「話し合う」ということができる環境が整ったら、教師をもう一度してみたいです。

休職して数カ月でインタビューを受けてくださった斎藤先生。

コロナの対応で多忙を極める中、校長先生を発端に、周囲の先生とのコミュニケーションがうまくいかなくなる。
そして、その悩みを分かり合える人も見つけられず、孤独を感じていく。

全国に同じような悩みを抱えた先生は多いのではないでしょうか?

「忙しさ」の中で、自分の気持ちを押し殺して任務を遂行する。
このことが、どれだけ自分の心身に負担をかけているか。

どうか、最初に「なんか辛いな」と感じた時点で相談してくださると嬉しいです。

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この記事を書いた人

EDULIFE代表 松崎祐子
コーチ/大学講師(言語学)

自分らしく健やかであり続ける先生のサポーター

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